函館協会病院

リハビリテーション科

リハビリテーション科概要

私達リハビリテーション科スタッフ一同は、医師の指示のもと脳血管疾患や神経疾患、整形外科疾患、呼吸器疾患、心疾患の方々はもちろん、様々な疾患により日常生活に障害をもたれる方々、最終的には障害をもつ全ての方々が、住み慣れた場所で生さ生きと豊かに充実した生活を送れるようになることを目標に、さまざまな角度からアプローチしています。

当院のリハビリ施設基準は、脳血管疾患Ⅰ、廃用症候群Ⅰ、呼吸器Ⅰ、運動器Ⅰ、心大血管Ⅰを整え、理学療法士45名、作業療法士9名、言語聴覚士6名、リハビリテーション科助手7名で診療にあたっています。役割として理学療法では「早期機能回復」を、作業療法では「生活行為向上」を、言語聴覚療法では「コミュニケーションと摂食嚥下機能の改善」を掲げ、日々奮闘しています。

理念

様々な疾患により日常生活に障害をもたれる方々が、住み慣れた場所で生き生きと豊かで充実した生活を送れますように私たちリハビリテーション科は、様々な機能の回復に取り組みます。

入院部門

理学療法

理学療法部門は、主に機能回復を図る運動療法と、患部に電気をかけたり温めるなどして消炎・鎮痛を図る物理療法からなります。理学療法士が、医師の指示に基づいて対象の方々の症状に合わせ、いろいろな動作の基本となる身体機能の改善を目指し、リハビリテーションに取り組んでいます。回復期病棟では、運動器疾患と脳血管疾患の疾患別にチームが分かれているため、より専門的な治療の提供が可能となっております。

作業療法

作業療法部門は、日常生活場面を設定した作業療法室で身体機能の改善や精神面での活性化、応用動作の習得、日常生活に必要な動作や家事動作の習得に向け指導・援助をしています。当院では、和室で正座訓練、調理訓練、入浴動作訓練等、日常生活に合わせた場面で動作機能訓練を実施しております。

言語聴覚療法

言語聴覚療法部門は、言語・嚥下機能に対し維持・回復を図る訓練の他、コミュニケーションや摂食の方法の助言・指導も行い、日常生活の質を高める援助をしています。言語聴覚士が、医師の指示のもとで対象の方の症状に合わせたリハビリテーションを行なっています。

在宅部門(通所リハビリテーション・訪問リハビリテーション)

ご利用の対象となる方

  • 介護保険の認定を受けられている方
  • 主治医から訪問リハビリまたは通所リハビリが必要と認められている方
  • 通所リハビリでは、送迎範囲外でもご家族の送迎または、ご本人で来所できる方は利用可能です。

通所リハビリテーション

通所リハビリテーションは、介護保険の認定を受けられている方を対象に病院に通っていただきリハビリテーションを行うサービスです。

当院では理学療法士や言語聴覚士、管理栄養士が中心となり、可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、利用者様の身体の状態に合わせたリハビリテーションを提供させていただきます。また、定期的に理学療法士や言語聴覚士による身体機能の評価、管理栄養士による栄養状態の確認も行っています。

  • 「現状を維持したい」、「筋力・体力をつけたい」方には、トレーニングマシンを10種類以上設置しています。
  • 「歩行を良くしたい」、「バランスを良くしたい」などの方には、理学療法士が対応します。
  • 「痛みがある」方には、理学療法士、物理療法(温めなど)で対応します。
  • 「話しにくい」、「飲み込みにくい」などの方には、言語聴覚士が対応します。
  • 「栄養がとれているのか不安」、「急に体重が減った」などの方には、管理栄養士が対応します。
  • 自宅から病院までの送迎を行っており、車椅子の方の送迎も可能です。
  • 無料で体験を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションは、介護保険の認定を受けられている方を対象に理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が直接ご自宅に伺い、リハビリテーションを行なうサービスです。介護度の低い方から高い方まで幅広い方を対象に、自主トレーニングの指導や屋外での歩行練習、寝たきりや床ずれ予防のための運動など、利用者様の身体の状態に合わせたリハビリテーションを提供しています。また、利用者様へ直接リハビリテーションを行うだけでなく、福祉用具の選定や住宅改修の提案などによる暮らしやすい環境作りのお手伝いや、ご家族に対する介護方法の助言など、利用者様が可能な限り快適に生活を続けていくための支援も行っております。

  • 病院からの退院が決まったが、自宅での生活に不安を感じている方や、退院後もリハビリを続けたい方
  • 最近、肩や腰、膝が痛くて家事や買い物が大変になってきたと感じる方
  • 脳血管疾患の後遺症などで会話や食事の際に飲み込みが行いづらい方
  • 難病などを患っており、今後の家族の介護の負担軽減や寝たきりの予防を考えたい方

特に上記のような方には、訪問リハビリテーションの利用をお勧めしています。関心のある方は、担当ケアマネージャーや当院リハビリスタッフに気軽にご相談下さい。

リハビリテーション室風景

理学療法室
作業療法室
言語聴覚室
ADL室
浴室
木工・金工室
和室
病棟のリハスペース

心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーションとは

心臓病の患者さんが、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することを目指して行うプログラムのことです。

心臓病の患者さんは、心臓の働きや運動能力が低下しています。そのため、強い活動はできませんし、どの程度活動をしても大丈夫なのかがわからず、不安を抱える方もいらっしゃいます。

当院の心臓リハビリテーションでは、専門知識を持った医師、理学療法士、看護師、薬剤師、検査技師、作業療法士、管理栄養士など多くの専門医療職が関わって、患者さん一人ひとりの状態に応じた効果的なリハビリプログラムを提案・実施致します。

心臓リハビリテーションの効果

  • 心血管病による死亡率・入院のリスクが低下します。
  • 日常生活で心不全の症状(息切れなど)が軽くなります。
  • 筋肉量が増えて楽に動けるようになり、心臓への負担が減ります。
  • 心臓の機能が良くなります。
  • 血管が広がりやすくなり、身体の血液循環がよくなります。
  • 動脈硬化が進みにくくなります。
  • 血管が広がって高血圧が改善します。
  • インスリンの効きが良くなって血糖値が改善します。
  • 自律神経が安定して不整脈の予防に繋がります。
  • 運動を行うことで、仕事や家庭生活・社会生活の満足度が高くなります。

対象疾患とリハビリ内容

対象疾患

医療保険制度による心臓リハビリテーションの対象疾患は、

心筋梗塞・狭心症・心臓手術後・大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管手術後)、

慢性心不全・末梢動脈閉塞性疾患。

保険適用期間

上記疾患の場合、リハビリ開始から150日間、健康保険が適用されます。

※例外として、医師が必要であると認めた場合に、150日を超えて適用される場合もあります。

内容

「心肺運動負荷試験(CPX検査)」を行い、ATポイントをベースとした検査結果をもとに、患者さん

の状態に合わせた最も安全で効果の高い運動プログラム・負荷量を設定したリハビリを行います。

CPX検査以外のリハビリ中も、心電図モニター管理の下、安全な運動を提供しております。

重心動揺計の導入

重心動揺計とは、立っている時や座っている時の体重がかかっている位置や量を測定できる機器です。

当院では、簡単に精密なバランス能力を評価でき、検査結果のレポートをお渡しして、

評価結果に基づいたリハビリメニューを提供させていただております。

「最近ふらつく」「足腰に自信がない」そのように感じたら、バランス計測をお勧めします。

最先端の筋電計導入

筋力は、年齢と共に低下します。筋力が低下すると転びやすくなり、骨折などの危険が増します。

しかし、筋力はトレーニングをする事で増強が可能です。

筋電計は、筋活動を可視化してくれますので、使いたい筋が本当に活動しているかをご自身でも確認する事ができますし、

計測後は、リハビリスタッフにて計測結果をご説明させていただきます。

当院で使用している筋電計は、最先端の機能を搭載した次世代筋電計で、8個の筋肉の筋活動を同時に計測できるのが大きな特徴となっています。また、各動作において適切なタイミングで筋活動が得られているか等を、20分程度で計測できるのも特徴となっております。

ボツリヌス療法

ボツリヌス療法とは

脳卒中の後遺症である痙縮に対して、ボツリヌス療法という治療法があります。

ボツリヌス療法とは、ボツリヌストキシンと呼ばれるお薬を腕や足の筋肉に注射する治療法です。

注射をすることで、筋肉の緊張を和らげ痙縮の改善が期待できます。

当院ではより効果を増大させるため、注射後約2週間のリハビリ入院を実施しています。

効果は約3~4か月間持続しますが、徐々に消えてしまうので、繰り返し定期的な注射とリハビリの継続が必要となります。

    

一般的にみられる副作用としては、注射部位が赤くなる、腫れる、痛む、体がだるく感じる、力が入らないなどがあります。

稀に吐き気や呼吸が苦しくなるなどの症状が出現することがありますが、担当医師と相談し治療を進めていきます。

    

当院では、医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士などの専門職が連携してボツリヌス療法を行っております。気になる事がありましたら、お気軽にご相談下さい。

治療の効果

  • 日常生活動作がしやすくなります
  • リハビリテーションがしやすくなります
  • 介護の負担が軽くなります
  • 関節が固まって動きにくくなったり、変形するのを防ぎます
  • 痛みが和らぐ場合があります

治療のステップ



  • 初めての治療で理想とする効果を期待するのではなく、繰り返し治療を継続することで最適な治療(投与量・投与部位)
    を見つけていきます。

その他

臨床実習について

受け入れ状況 札幌医学技術福祉歯科専門学校
札幌医療リハビリ専門学校
札幌リハビリテーション専門学校
函館市医師会看護・リハビリテーション学院
北都保健福祉専門学校
北海道医療大学
北海道科学大学
北海道千歳リハビリテーション大学
北海道文教大学
北海道リハビリテーション大学校
日本医療大学

研究、発表状況

第72回道南医学会大会

転倒高齢者における姿勢安定度評価に影響を与える因子の検討

当院におけるリハ栄養研修会の教育効果

有疾患者における姿勢安定度評価と転倒歴との関連

第5回道南支部理学療法学術大会 成人脊柱変形に対するHome-exの検討
第5回道南理学療法士学術大会 左心原性脳塞栓症にて右弛緩性麻痺を呈した患者様の移動時の介助量軽減に向けた介入

新人教育

月2~3回程度で不定期ですが科内の勉強会を開催しています。PTは、新人に対してOSCEを使用して教育活動を行っています。